RiCA
竹内梨夏
株式会社CHA-Link 代表取締役
初代 Miss Tea Ambassador Japan
日本茶インストラクター
煎茶道東阿部流師範
マインドフルネス・スペシャリスト
RICAからのメッセージ
国や社会の発展は私たちを幸せに導くか
アジアで一番若い国、東ティモールで青年海外協力隊として働いていた、あの日のことを今でも鮮明に覚えています。その日、私は東ティモール人の同僚たちの考えを聞いてみたくて、日本で深刻な問題となっている「自殺」について話題を出したのでした。しかし、それは失敗に終わりました。彼らが初めに発した言葉は「日本人には家族がいないってこと?」という質問だったのです。彼らは真剣でした。みんな自殺の概念がわからず、困惑するばかりで、議論にもなりませんでした。
そして、その日のことは、私にとって人生観を変えるような衝撃的な記憶として深く胸に刻みこまれたのでした。発展途上国の人たちは、先進国に生きる私たちが失いかけている何かをまだ大切に持っているのかもしれないと思ったのです。
もう一つ、私の体験談を書かせてください。毎月東京で体験していた悲しい出来事です。私は去年まで、毎月電車で40分離れた病院まで、90歳のおばあちゃんの通院に付き添っていました。わりと混んでいる時間帯だったので、席が空いていることはあまりありませんでした。だいたいの場合、私たちが電車に乗り、席の前に立つと目の前に座っている人たちがちらっとこちらを見ます。しかし、それだけ。なかなか席を譲ってくれる人はいませんでした。大抵、優しい人がどこか遠くから、わざわざ声をかけてくれて席を譲ってくれるケースが多かったのです。
優先席に行かないおばあちゃんの方が悪いのかもしれませんね。でも、本当にそうでしょうか?私は祖母の存在をわかっていながらも、音楽に没頭したり、スマホをいじったり、寝ているふりをする若者や健康であろうスーツ姿の人たちを見る度に悲しくなりました。
東ティモールでは、現地の人たちはいつも笑顔で私のことを喜んで助けようとしてくれました。それに比べて、東京では人々は疲れ果てて、電車の中で私の祖母など気にかけていられない状況です。
日本人は悪人なのでしょうか?そんなことはないはずです。でも何かがおかしいのは間違いないでしょう。
私達の国は幸せを追い求めて発展してきたはずです。私たちは果たして正しい方向に向かっているのでしょうか?立ち止まって考えてみる時が来たのかもしれません。
cha-linkで強く優しくなろう
現代人のライフスタイルは疲労とストレス、そして不安で満ちているといっても過言ではないでしょう。もしかしたら今、皆さんは大嵐の中でコントロール不能状態に陥っている様な気分になっているかもしれません。
もし本当にそうなら、試しにやってみる価値があるのは、自分の状態を客観的に捉えてみることだと思います。そして、「私っていつも失敗ばかりで最低」などとすぐに感情的に判断してしまわずに、ありのままにいったんそれを受け入れてみることです。
私たちの国や社会は発展し続けてきました。多くの人がテクノロジーの進化を崇拝する一方で、その弊害と言える、マルチタスクの増加と情報過多によって疲労困憊している側面もあります。
しかし、「技術発展は悪いものだ」と結論を早まるのもまた違うでしょう。ありとあらゆるものには、良い面も悪い面も存在します。それは10年経っても100年経っても変わらない真理です。
まずは、「絶対これのせいだ」とか「これのせいでいつも最悪」など、感情に流され、自分の推測の中で判断する癖を捨ててみましょう。自分自身と身の回りの状況をそのままに受け入れてみることがあなたにとって大きな前進の第一歩となるはずです。大きな課題にはその後取り組むのでも遅くはありません。
ひとまず、ひと息ついてみませんか?ゆっくり丁寧に最低20分かけてお茶を淹れて味わうことで、毎日自分を慈しむ時間を作ってみてください。私自身、例え短い時間でも、このお茶の時間が日々の生活の質を高め、心を暖めてくれるのを感じています。
ちなみに、私は大きな問題から目を背けるべきだとは言っていません。だけど、特に辛い時に、問題と思える外部環境や他人を変える事は簡単ではありませんよね。一方、何かを変えるとして、一番簡単なのは自分を変えることです。なぜなら、自分次第なので、今日からでも状況を変えることが可能だからです。
しかも、一度心に穏やかさを保つ方法を身につけられれば、見える世界はがらりと変わり、色々なことに余裕をもって、柔軟に対応できるようになってきます。
そして、それこそが、私がcha-linkを通じて実現したいことです。
cha-linkのプログラムでは、「気づく」「受け入れる」「手放す」「今に集中する」の基本的なマインドフルネスのスタンスを身につけます。そして、まずは自分に「気づく」ため、自分の「感覚」「感情」「認知」「真の自分」をテーマに自分を慈しむ心、「自慈心」という自分の心の軸を作っていきます。
もしこのウェブサイトにたどり着き、何か心に響くものを感じてくださったなら、私たちと一緒に本当の幸せについて改めて向き合ってみませんか?
おばあちゃんのお茶屋さんの思い出
私の実家は東京都東久留米市で大正4年の曽祖父の代から商店を営んでいました。狭山茶の産地である入間市出身で、茶業研究所に勤めていた祖母が嫁いできたことがきっかけで、お店はお茶屋さんになりました。私は小さいころからのお茶狂いで、お店の茶箱からお茶を盗み食いするほどでした。小さいころは学校から帰るとまずは家族や従業員さんの働くお店に寄るのが習慣で、おばあちゃんか私が「お茶飲もうか」と言って、みんなでお茶を飲みながら、学校の話をしたりする時間が大好きでした。その頃から、お茶そのもの以上に、お茶を人と囲む時間や空間が好きだったように思います。
しかし、残念ながら、2013年に経営不振でお店を閉めることになりました。私は幼稚園の頃からレジに立っていましたが、最後の一週間も毎日そこにいました。すると、たくさんのお客さんが列を作って、「やめるのもったいないよ」「これまでお店があって助かったよ」など、たくさんの温かい言葉を頂くことになりました。さらに、一番衝撃的だったのは、私たちのために涙を流してくれたお客さんがいたことでした。今でもその光景は忘れられません。
東ティモールでの2年半の経験
その翌年私は青年海外協力隊として東ティモールの観光省マーケティング局に派遣されてから2年半、国のよりよい発展のために尽力しましたが、そこで気づいたことは、現地の人が本気で取り組まないと国は根本的には変わらないということでした。
お茶が人と世界の輪を広げる
茶輪(CHA-Link)
それを学んだ私は、日本に生まれた者として、日本のために何かしたいと思い、実家のお店が閉店したときの思いも後押しして、CHA-Linkを立ち上げるに至りました。東ティモールでは、私はボランティアで支援に行っていた一方で、現地の人たちは私が生活に困らないよういつでも喜んで助けてくれました。この経験は私に、この世界は助け合うことで成立していて、1人では絶対に生きてはいけないんだ、ということを教えてくれました。お茶の新たな価値を提案しお茶文化、産業を盛り上げたいとともに、世界中の人がお茶を通じて幸せの輪を広げ、国、文化、宗教を越えて人々が調和する社会づくりに貢献したいと思っています。
おわりに
私の思いを最後まで読んで下さり、嬉しいです。そんなあなたとは何か共感できることがあるのかなぁと、勝手に想像しています。良ければcha-linkのイベント等でお会いしましょうね。きっとここまで読み進めてくださったあなたになら、良い時間をお届けできると思います。近々お会いできるのを楽しみにしています。
RICA紹介動画
ティー・アンバサダー コンテスト
Ricaのインタビューは2:09からです
Cinema5d ドキュメンタリー
Ricaのお茶バイオグラフィー
1989年8月10日 東京都東久留米市で茶舗を営む家庭に生まれる。
祖母は元煎茶道師範
1996年 私立神山幼稚園卒 実家のお店でレジを手伝い始める
2002年 市立第二小学校卒 お茶葉をガムのように噛むことにハマる
2005年 市立大門中学卒
初めて作った携帯のメールアドレスは「greeeeeen-tea-love@ドコモ」
2008年 都立大泉高校卒 実家のお店で正式にアルバイトをはじめる
2013年 青山学院大学英米文学科卒(GMO熊谷正寿夢手帳奨学生)
おばあちゃんの時代から付き合いのある静岡のお茶農家さんで、お茶について製造現場を学び、留学中アメリカ人にお茶をPRしだす
2014年~2016年
留学とサンディエゴ観光局でのインターンシップ経験を生かし、大学卒業後青年海外協力隊として東ティモール観光省マーケティング局で2年間勤務。その際に国内最大のイベントであるTour de Timor (国際マウンテンバイクレース)を担当し、1年間で海外からの参加者を2.5倍に増大させることに成功
2016年
ボランティア時代の実績から、協力隊任期終了の年に東ティモールスポーツ省から呼び戻され、Tour de Timorとディリ国際マラソン専属のマーケティング&ホスピタリティアドバイザーに抜擢される。日本に帰国後、東ティモールの経験を通じて、今後は日本に貢献できることをやろうと決心し、「日本茶が人と世界の輪を広げる」をビジョンに掲げ、茶輪/CHA-Linkを立ち上げる。
2017年
CHA-Linkのウェブサイトを開始し、海外でお茶のイベントを開催し始める。日本茶インストラクターの資格を取得する
2018年
お茶協会が主催する国内外で日本茶をPRする日本代表を決めるTea Ambassador Contest 2018で優勝し、初代 Miss Tea Ambassadorを受賞する
2019年
心を整え、心に優しさと思いやりを育てる煎茶瞑想法cha-link マインドフルネスを考案し、国内外で普及活動を始める。祖母と同じ流派の煎茶道師範となる
2020年 8月6日
「広島平和記念日」に偶然株式会社CHA-Linkとして法人設立することになり、改めて、世界平和への思いを一層深めることとなる。総合旅行業務取扱管理者国家試験に合格し、国内&海外旅行の営業資格を得る
企業や団体から受託した(している)お茶関係以外のお仕事(以下は一部例)
2020年
東久留米市民大学で講師を勤める「お茶と瞑想〜日本茶の新たな価値想像にかける思い〜」
2017年~現在
東ティモールでの国際マウンテンバイクレース運営経験を生かし、一般社団法人日本パラサ イクリング連盟の日英語通訳を担当する。※パラサイクリングはパラリンピック自転車競技です
2016~18年
株式会社シェアーズ(企業分析のアルゴリズム/ツール開発会社)の事業開発ディレクターとして法人営業を担当。スタートアップ9社で行われたピッチコンテスト(第9回目 Tokyo Startup Dating)に登壇し優勝する
2018年
米国内移住率No.1のポートランドで幸せな生き方を考えるソーシャルプログラム「SHIFT in Portland」のコーディネーター件通訳を務める
2017年
公益財団法人青年海外協力協会の依頼で青山学院大学で国際ボランティア講師として講演を行う
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